安全なパスワードの管理

強力なパスワードの作成

パスワードを安全に管理するためにはまず、他人に推測されにくく複雑なパスワードを作成する必要があります。

以下のような、複雑で強力なパスワードを作成することで不正ログインされにくくなります。

・パスワードの桁数を多くする

文字数が多いほどパスワードが破られるまでの時間が長くなります。

最低でも12文字で、それ以上に設定する方がより強固になります。

テクノロジーの進歩によってパスワードを解析する速度も向上しているため、桁数が少ない場合は単純なパスワードは短時間で解読されてしまいます。

・大文字、小文字、数字、記号が混在する

使用する文字の種類が増えることで、その組み合わせのパターンが急激に多くなります。

例えば、アルファベット26文字のみの場合、6桁では約3億通りになります。しかし、アルファベットの大文字、小文字、数字、記号で94種類の場合、約6900億通りにもなります。

パスワードのパターンを総当たりで入力するブルートフォース攻撃を仕掛けられた場合、桁数と文字の種類を増やすことで解析により時間がかかるようになるため安全になります。

・意味のある言葉を使用しない

名字や名前、生年月日などの日付を使用することで推測されやくなります。

また地名や辞書に載っている単語を使用することでも、パスワードが破られやすくなります。

辞書攻撃では、辞書に登録されている語句や名前などを組み合わせてログインを試みるため、それらの文字を使っている場合、短時間で解読されてしまう可能性があります。

・単純な並びの文字を使用しない

12345や00000、abcdeなどの並びや、数字や単語を逆に並び替えただけのものも推測されやすくなります。

単純な並びの文字や数字など、パスワードによく使われる文字列は総当たりで簡単に解読されてしまいます。

パスワードの保管方法

安全なパスワードを作成するだけでなく、パスワードの保管方法も重要になります。

他人に知られないようにし、自分でも忘れないようにする必要があります。

・紙に記入する

紙に記入して管理する場合は、管理が簡単でインターネットで漏洩する心配がないというメリットがあります。

また、不具合や故障などによってデータが消失することもありません。

しかし、記入した紙の紛失や盗難に注意する必要があります。

オフィスなどでは他人の目に触れる場所に置かず、鍵のかかる机など安全な方法で保管する必要があります。

・ファイルで管理する

パスワードをWordやExcel、メモ帳などのファイルで管理する場合は、入力や更新が簡単というメリットあります。

しかし、インターネットに接続している場合は流出のおそれや、不具合や故障などでデータが消失する可能性もあります。

そのため、ファイル自体にパスワードをかけたり、定期的にバックアップを取る必要があります。

・パスワード管理ツールを使用する

パスワード管理ツールで管理する場合は、パスワードの作成や管理が簡単になるメリットがあります。

複雑なパスワードの自動作成や、ログイン時にパスワードを自動入力できるので入力する手間を省くことができます。

しかし、管理ツール自体のセキュリティが脆弱な場合は、パスワードが流出したり消失する恐れがあります。

また、有料のツールの場合はコストがかかったり、サービスが突然終了して使えなくなるといったデメリットもあります。

パスワードを使い回さない

パスワードの使用方法について、複数のサービスで使いまわさないことが重要になります。

どこかのサービスからアカウントの情報が漏れた場合に、他のサービスで不正ログインが行われる可能性が高くなります。

サービスごとに別のパスワードを作成し、管理することは大変ですが、複雑で覚えやすいパスワードの作り方として、コアパスワード方式があります。

これは複雑なコアパスワードを一つ作成し、サービスごとに別の文字列を追加して作成します。

この方式だと、コアパスワードとそれぞれのルールだけを覚えておくだけで管理することができます。

パスワードの定期的な変更について

以前はパスワードは「定期的な変更が必要」とされていましたが、現在では「定期的な変更は不要」とされています。

定期的にパスワードを変更することで、パスワードが単純になったり、使いまわしをするようになり、かえって危険になります。